腱鞘炎とは

腱鞘炎（けんしょうえん）とは、腱を包む腱鞘の炎症によって、痛みや腫れ、こわばりなどの症状が出る病気です。

手には、手首から指先にかけて腱と腱鞘があります。腱鞘とは、腱が中を通るトンネルのようなもので、腱を包み込んでいる鞘（さや）です。

指や手首を曲げ伸ばしする際に、腱が動きます。このとき、腱鞘が周りの組織との摩擦を防ぎ、スムーズな動きを可能にしています。しかし、何らかの理由で腱と腱鞘の動きが悪くなり、摩擦が生じると、炎症が発生します。これが腱鞘炎です。

腱鞘炎は、手指を多く使う人に多く発症します。

女性ホルモンの影響によって発生する可能性も

腱鞘炎は、更年期以降の女性や、産前産後の女性にも多く見られます。

更年期以降の女性や、産前産後の女性に腱鞘炎が多い理由は、女性ホルモンの影響が関係しているとされています。つまり、使い過ぎ以外にも、女性ホルモンの影響によって腱鞘炎を発症する可能性があるのです。

腱鞘炎の代表的なもの

腱鞘炎には、代表的なものに「ドケルバン病」と「ばね指」があります。

今回は、この二つについて解説していきます。

ドケルバン病

ドケルバン病は、手首の内側（親指側）に痛みが生じる病気です。親指を伸ばす筋肉と外に開く筋肉の腱が、手首の内側で腱鞘と摩擦を起こし、炎症が起きたことが原因です。

最近では、スマートフォンの普及により、親指を酷使する場面が増えているため、ドケルバン病の発症率も高まっています。

ばね指

ばね指は、手のひら側にある指を曲げる筋肉の腱が、腱鞘部分で引っかかってしまう病気です。基本的には、指を曲げてから伸ばす動作の際に発生します。

手のひら側には腱鞘が多く、指の第2関節付近や手のひら付近などにばね指はみられます。

初期は痛みなどが主症状ですが、進行して腱鞘が肥厚してくると、指がすぐに伸ばせなくなったり、クリック音がしたりします。

そのほかの手の病気

「デュピュイトラン拘縮」という病気があります。

手掌から指にかけこぶのようなものができ、皮膚がひきつれてだんだんと伸ばしにくくなります。多く見られるのは、薬指、小指ですが、他の指や足の裏にもできることがあります。痛みや腫れなどはありません。

当院でのアプローチ

オーバーユース（使い過ぎ）による腱鞘炎の治療には、症状を感じている部分と症状を引き起こしている根本原因の両方にアプローチすることが重要です。

当院では、痛みが出ている原因筋に対して、鎮痛を目的に鍼によるアプローチや筋膜リリースで症状の軽減を図り、骨格や関節の調整でお身体の使い方から変えていきます。鍼が苦手な方には手技で手首の関節の位置を調整するような施術を行いますのでご安心ください。

具体的な治療方法としては、鍼治療、手首のアライメント（関節の位置）調整などがあります。

炎症が強い場合はアイシングや電気などの物理療法、原因である腱の筋肉の緊張緩和を行います。また、症状が強く出ている場合や、また痛みが出ないか不安な方には、テーピングをして動きに制限をかけて安静にすることで症状を和らげる事も可能です。

また、日常生活の中で手指の酷使を避けることも、早期改善につながります。手首を使いすぎることも原因の一つですが、お身体の歪みや左右差によって使い方が悪く痛めてしまっていることも考えられるので、腱鞘炎でお困りの際は、ぜひミライエ鍼灸整骨院へご相談ください。

まとめ

腱鞘炎とは、腱鞘(骨と筋肉をつなぐ腱を包みこみ滑らかに動かせるよう支える組織)と腱が、指の曲げ伸ばしなどによる反復運動によりこすれあい炎症が生じ、強い痛みや動かしづらさを引き起こす症状です。

腱鞘炎でよく知られるのが、ドケルバン病とばね指です。2つの違いとしては、症状が出る場所です。ドケルバン病は手首の親指側、ばね指は指の付け根で症状が出ます。どちらも、使い過ぎによるものですが、妊産婦や更年期の女性に多く見受けられます。改善方法としましては、親指や手首の過度な使用を避け、安静にすることが大切です。ですが、なかなか安静にするのが難しい方は当院で、鍼治療や手技での治療、テーピングなどを行うことで改善が見込めます。

痛みを抱えたまま生活するのは、お辛いと思いますので少しでも痛みを感じましたらまずは一度お気軽にご相談ください。